海素材&ミニルーターに特化した
海ハンドメイド作家「岡澤鈴美」

『素敵な人インタビュー』で頂いた記事をそのまま載せています(^^ゞ

海素材に特化した“海ハンドメイド講座”と、小型電動工具ミニルーター講座を開催する「ポケ海ハンドメイド協会」代表の岡澤鈴美さん。
貝殻やシーグラス、海藻押し花などを使ってオリジナルの“海雑貨”やアクセサリーなどの制作指導を行う海素材ハンドメイド作家です。

ポケ海ハンドメイド協会で教えているのは、海素材を活かした海モチーフなどの手作りと、小型のペンのようなミニルーターという工具の技術を学ぶ講座の二本立てです。
「大人こそ、自然を楽しむ場を提供したい」と協会を立ち上げた岡澤さんですが、どのようにして海素材ハンドメイド作家になったのでしょうか。

「私は大阪出身で、大阪は海が遠いのですが、父は四国の人なので毎年海に連れて行ってもらい、海が大好きになりました。海に行っては貝殻を拾っていたところ、ある時お気に入りの海岸に突然工事が入り、貝殻が拾えなくなってしまったんです。そこに住んでいる生き物がいるのに、人間が勝手に入り込んで、昨日まで平和だった場所を破壊する。これが環境破壊なんだと、自分のお気に入りの場所が奪われたことを通して知りました。これはいけないことだと伝えないと、と。ただ環境破壊はよくないと訴えるのではなく、手元に持っている貝殻を身近に感じられる作品にしてたくさんの人に見てもらうことで、こんなかわいい生き物が海にいることを知ってもらおうと思い立ったのです」

そこから岡澤さんの試行錯誤が始まりました。
「例えば、ほんの数ミリしかない微小貝をそのまま見せたい。でもそのままだと壊れてしまう。アクセサリーにするには貝殻に穴をあけることも必要ですが、壊さずに穴をあける方法がわからない。流木を削ったり、貝殻を磨いたりするにはどうすればいいのか。教えてくれる人もいなかったので、すべて自分で見つけるしかありませんでした」
ようやく、貝を海にいる時のように生き生きと見せる透明なレジンと、貝殻に小さな穴をあけることができるミニルーターに出会った岡澤さん。
大工さんであるお父様が工具を使うのを身近に見ていたので、電動工具にも抵抗がなかったそうです。

手作りした貝殻のアクセサリーをインターネットで販売したところ、すぐに大きな反響があり、水族館やダイビングショップにも置かれるようになりました。
「おもちゃの貝ですか?」「海外のものですか?」「作り方を教えてほしい!」などの問い合わせもあり、「どこの海にもこんな貝はいるんだよ、ということを伝えたくて」岡澤さんは貝殻のアクセサリーや小物作りを教える教室をスタート。
これまでのべ100人もの生徒さんに教え、認定講師も次々に誕生。

押しも押されもしない海素材ハンドメイドの第一人者となった岡澤さんが次に立ち上げるのが、海だけでなく自然全般を楽しむ会員制の教室です。

「大人の人に、手作りとともに四季折々の自然を楽しんでもらえるような会員制にしたいと考えているんです。私は海だけでなく自然の素材が大好き。20年以上前から落ち葉や花など、海以外の自然素材もハンドクラフトに使ってきました。自然の風景を見ることで癒されたり、行くだけで心が開かれたりしますが、そこに素材探しという目的が加わると、視点がぐんと広がります。例えば山を歩くと、落ち葉を通して木の種類の変化に気づけます。苔玉を作るにしても、買ってきた苔で作るのではなく、苔そのものを自分で集めることができたらもっと楽しいですよ。拾ってきた素材を長持ちさせるための処理方法もしっかり教えます」

この海に行けばこんな貝や砂、この山にはこんな葉っぱがと、岡澤さんの頭の中には自然と素材がセットになった日本地図が入っています。
コロナ禍が落ち着いたら、そんな岡澤さんが選りすぐった場所に岡澤さんと一緒に行くツアーも企画しているのだとか。

「大人になると、日々の生活に追われてすぐに時間がたってしまいます。でも、大人こそワクワク、ドキドキして感性を磨くことが大切だと私は考えています。大人が楽しむことを知らないと、子供にも楽しむことを伝えられないですよね」

自分が一番楽しんでいる、という岡澤さん。
岡澤さんの目で風景を眺めたら、それが家の近所の見慣れた場所であっても、きっとモノクロ映画がカラーになったように豊かで情報量が多いものになることでしょう。
自然を見るのも0円なら、素材を拾うのも0円。
遠出が難しい今だからこそ、身近な自然の価値に気づかせてくれる岡澤さんの視点は、単調な毎日を救ってくれるに違いありません。